販促什器と言う言葉に耳馴染みがない方も、スーパーやコスメショップ、またはポップアップストアなど多くの場所で一度は目にしているでしょう。一言に什器と言っても、多種多様な種類があります。例えば、什器に使用されている素材をとっても、紙・段ボール・スチール・アクリル・木材などさまざまです。
本記事では、どのような場面でどのような素材の什器が採用されているのか、特徴とデメリットを解説します。
そもそも什器とは?
什器(じゅうき)とは一般的にオフィスや商業施設で使用される家具や備品を指します。その中でも販促什器は、店頭で商品を効果的に陳列し、販売を促進するための什器です。「ディスプレイ什器」とも呼ばれ、ブランドの世界観を表現しながら、消費者の購買意欲を高める役割を担います。
販促什器を活用することで、他社製品との差別化をはかり、商品の魅力を際立たせることが可能です。また、設置場所を考慮した設計を取り入れることで、関連商品の訴求につなげることもできます。これにより計画になかった商品を手に取るきっかけが生まれ購買単価の向上にも貢献します。
このように戦略的に設計された販促什器は、単なる商品陳列ツールではなく売上に貢献する重要なマーケティングツールとなります。
什器の主な素材
什器の主な素材として「木材」「スチール」「アクリル・PET」「メラミン化粧板」 「紙・ダンボール」が挙げられます。
木材

木材の什器は、自然な色合いと質感を活かした温かみのあるデザインを表現することが可能で、高級感も兼ね備えています。ナチュラルな雰囲気を演出できるため、売り場のアクセントとしても効果的です。
また、ブランドコンセプトと調和することで、魅力を高めることも可能です。耐久性があり長期間使用できる点もメリットの一つですが、重量があるため運搬や設置の負担が大きく、コストが比較的高めです。さらに、湿気や水分の影響を受けやすく、歪みや劣化が生じる可能性があるため、使用する環境には注意が必要です。
スチール

スチール製の什器は、素材的に耐久性と耐荷重に優れており、安定感があるため長期間の使用に適しています。直線的なデザインはもちろん、強度のある曲線を活かした設計も可能でスタイリッシュな什器を作ることができます。また、塗装によって、デザインに応じた多彩なカラーバリエーションにも対応することも可能です。
一方で、重量があるため搬入や設置の負担が大きく、取り扱いは簡単ではありません。また、製造コストも比較的高めではあります。しかし、長期間使用すると考ええれば、コストパフォーマンスが良いとも言えます。素材の特性上、環境によってはサビや腐食のリスクがあるため、使用場所やメンテナンスにも注意が必要です。
アクリル・PET

アクリルやPET素材の什器は水や湿気に強く、冷蔵ケース内の什器やPOPとしても活用されています。素材の厚みを調整することで、用途に応じた設計が可能です。また、フルカラーでの印刷が可能ですが、透明という特性を活かすことで、紙やスチールでは表現できないデザインが可能になります。
さらにLEDを組み合わせることで光を活用した演出も可能で、近未来的感のある印象のあるデザインにすることも可能です。
一方で傷がつきやすく、汚れが目立ちやすい点や、リサイクルの際に環境への配慮が求められる点がデメリットとなります。
メラミン化粧板

メラミン化粧板は、メラミン樹脂を含浸(がんしん)させた紙を高温高圧で硬化させた薄い板を芯材と組み合わせた素材で、比較的安価に製作できるのが特徴です。木目調や大理石などのデザインを印刷することで、おしゃれな家具やオフィス什器、公共施設の内装材、さらには店頭の販促什器など、幅広い用途で使用されます。芯材にはパーティクルボードやMDFが使用され、これらには建築廃材などを活用することもあるため、SDGsの観点からも注目されています。
メラミン化粧板を用いた什器は、表面が樹脂で覆われているため、細かな傷には強いものの、強い衝撃には弱い面があります。また、摩耗や経年劣化により表面のツヤが失われたり、剥がれたりすることで見た目が悪くなってしまうため、長期間使用する際には注意が必要です。
紙・ダンボール

紙・ダンボール素材の什器は、コストパフォーマンスに優れており、展示会やポップアップストアなど、短期間の利用に最適です。軽量でコンパクトにたためるため持ち運びがしやすく、使用後の処分も簡単で、設置や撤去の負担を軽減することができます。また、リサイクルが可能な点もメリットとして考えられるでしょう。
一方で、耐久性や耐水性が低いため、長期間の使用や屋外や水気のある環境では使用できないなどの制限があります。さらに、ダンボールの断面が露出する事で、高級感に欠ける印象を与えやすく、高級感を演出したい場合は最適な素材とは言えません。
什器の素材の種類は様々
販促什器という言葉に耳馴染みのない方も、スーパーやドラックストアで一度は必ず目にしているでしょう。什器が作られている素材はさまざまで、紙・ダンボール、スチール、アクリル・PET、木材などがあります。それぞれにメリットがあり用途に応じて使い分けられています。それぞれの素材には独自のメリットがある一方で、使用目的によってはカバーしきれないデメリットも存在します。そのため、異なる素材を組み合わせることで、軽量化や耐久性、環境配慮、コスト管理などそれぞれの不向きな部分を補うことができます。例えば下記のような組み合わせが考えられます。
①スチール×紙・ダンボール
用途:エンドコーナーに設置する通年の定番什器
スチール製のフレームで長期間使用できる耐久性や安定感を確保し、紙の差し込みパネルを使用することで装飾用のスチールパーツを減らし、軽量化とコストのスリム化を実現することが可能です。紙製の部分はリサイクルができるため、環境負担を減らすことができ、差し替えPOPがあることで季節感やキャンペーンを取り入れることができ、売り場に変化をもたらすことができます。
②木材×アクリル
用途:水のデモンストレーションに耐えるディスプレイ
水はどの素材においてもサビや歪みなどの劣化につながる懸念点になり、注意が必要です。そんな中、アクリルやPETは水に強いという特徴があります。木材で安定感を確保し、痛みやすい部分をアクリルでカバーをすれば、環境負荷の高いアクリル部分を減らしつつ強度のある什器を製作することができます。
このように素材の良い点をバランスよく取り入れることで用途に応じた最適な組み合わせとなり、より魅力的で機能的な什器を製作することができるでしょう。
オリジナル什器を製作するなら
今回は、什器を製作する上でポイントとなる代表的な素材を取り上げて、その特徴などを解説しました。
PASSOTでは、販促の課題解決を目標に、機能性・デザイン性・コストを考慮することはもちろん、什器を使うまでの運搬や、実際に使用する店舗での取り扱いのしやすさまで考えた提案を行なっております。販促什器は商品を陳列するだけではなく、ブランドの世界観を表現し、売り場の魅力を高める重要な役割を担っています。そのため、目を引くデザインや什器の存在感、設置・撤去のしやすさなど、多角的な視点で最適な設計を行うことが重要です。
こうしたニーズにお応えするため、PASSOTでは紙・ダンボール製の什器を主軸としつつ、異素材との組み合わせによる什器製作に取り組んでいます。紙・ダンボールは軽量で加工がしやすく、環境に配慮できる素材である一方、長期間の使用や重量のある商品の陳列には不向きな面もあります。そこで、スチールやアクリル、木材などの素材と組み合わせて強度の幅を広げ、より視認性が高く、注目を集めやすい什器の実現を目指しています。
お客様のニーズに合わせた柔軟な提案を行い、売り場での効果を最大に引き出す什器作りをサポートいたします。什器製作をお考えの際は、ぜひPASSOTにご相談ください。